審査員は大変だ
私は、今までに本当に様々なジャンルの審査員を経験しました。
深く印象に残っているのは、
甘い香りに包まれた本当に美味しいイチゴ品評会の審査員と
この「みえビジネスプランコンペ」です。
総額1億円のコンペですから、1位5000万円から各位数千万円など、当時のベンチャー企業にとっては、夢のようなコンペでした。
1次審査は、100件近くの皆さんの企画書を読み採点。
参加者が一生懸命に書いていることがよくわかっているので、
企画書の中にある「参加者の思い」を少しでも読み取れればと、感じながら読んでいました。
毎回3日間ぐらいは、その作業で缶詰めです。
1日かかりでプレゼンテーション。
選ばれた挑戦者たちが競う2次審査プレゼンテーション。
これは、
企画書だけではわからない部分を、どれだけ審査員にアピールできるかが勝負となります。
参加者は、もちろん緊張するでしょうが、審査員1年生の私も負けないぐらい緊張していました。
企画書の案件は専門的なことも多く、
聞いたこともないワードが並びます。
プレゼンも、○○大学の研究でどうした・こうしたと
まるで、大学の講義を受けているようなものもありました。
休憩時間に
「本当に私で良いのかしらん? 専門的すぎて頭がパニックになりそう・・」
そんな感じでへこんでいると、
同じ審査員の(株)宮崎本店の宮崎社長(当時)が、そっと横に来て
「難しいやろ!」と声をかけてくれました。
「はい。宮崎社長も難しいですか?」と尋ねたら
「酒屋の親父に、あんな専門的なことわからへん」と軽く笑い飛ばしてくれました。
本当はわかっているけれど、緊張していた私のために言ってくれた言葉。
心を和ますために言ってくれたのだとすぐにわかりました。
新人で、一番年下で、女性一人の立場。
とにかく必死すぎて、どれだけ緊張していたのか
自分ではわかりませんでしたが、
その優しい気持ちが、とてもありがたかったです。
歴史ある会社の社長の器の大きさと気配りを、学ばせていただきました。